今回は「にいがた鮭プロジェクト」について事務局の長浜歩美さんにお話をお伺いしてきました!
「にいがた鮭プロジェクト」について教えてください。
県外の若者が「新潟へ帰ろうかな」と思ったときに役立つ情報や方法を伝えよう、そもそも彼らが「帰りたい」と思える環境をつくっていこうと、2022年春に、県内の企業や自治体が連携して立ち上げました。新潟日報社はその旗振り役を務めています。新潟県外に進学したり、就職したりした若者や、在学中の若者とつながり、その成長や活躍を応援するプロジェクトで、「川で生まれ海で成長した鮭が、いつかふるさとの川に戻るように」との気持ちを込めて名付けました。
取り組みは「若者へ情報を発信する」「若者と交流する」「若者に選ばれる環境をつくる」の3つです。具体的には、誰でも閲覧できるWEBサイトで新潟の「暮らし」「遊び」「仕事」にまつわる情報の発信、鮭プロに登録している会員同士が交流するイベントの開催、県・市町村・企業・学校がつながって若者を受け入れる環境づくりを進めるネットワークの構築を行っています。
2022年春に始まったばかりの新しい取り組みですが、24年3月時点での登録者数は3500人、サポート企業は102社、積極的に活動に参加する自治体数も13に増え、 認知度も活動の幅も広がっています。
どういうところが好評ですか?
申請や複雑な準備は不要で、LINEの友だち登録やWEBサイトの鮭プロ学生会員登録で参加できる手軽さが受けています。また、情報だけでなく、モノやコト、人との交流など様々なものが得られるところも高評価をいただいています。
たとえば、帰省用の新幹線や県外高速バスの片道乗車券、サッカーJ1アルビレックス新潟ホームゲームの観戦チケットをプレゼントする企画が人気を集めています。また、年2回実施する新潟産の米や食品などの詰め合わせをプレゼントする「にいがたふるさと応援便」は「懐かしい味にほっこりした!」「食品が値上げしている時だから助かった」と学生本人や保護者からも好評です。
企業が協力して行うイベントも多彩です。首都圏の大学に出向いて、県内で働く若手社会人と学生が交流する「にいがたCafé」をはじめ、県外の学校に通う大学1,2年生を対象とした企業見学バスツアーなどを開催。参加した学生からは「有名な企業が新潟の会社だと知って驚いた」「いつかUターンしてもいいかもと思った」という声が聞かれました。
どういう人が参加できますか?
出身地や住んでいる場所に関わらず、大学や大学院、短大、専門学校に通っている学生であれば会員になれますが、新潟県出身者や県内在住の学生が多いですね。23年には学生会員から社会人になった人も出たので、今後はさらに会員の幅が広がっていくでしょう。
ご家族はLINEの友だち登録をすることで、新潟の情報をお子さんに伝えたり、にいがたふるさと応援便などのキャンペーンに応募したりも可能です。「鮭プロの話題がきっかけで子どもと話すようになった」「今の就活事情が分かった」と積極的に活用している方も少なくありません。
鮭プロの取り組みには、県内に在住する学生が作った「チームいくらちゃん」があり、若者視点で取材した情報を発信したり、地元サッカーチームとのコラボイベントやフェスなどを企画・運営したりと、新潟愛を発揮し、鮭プロジェクトの活動を盛り上げています。
そもそも「にいがた鮭プロジェクト」を立ち上げた理由は?
一言でいうなら、若者に新潟についてもっと知ってほしいという思いでしょうか。高校を卒業する18歳までに知ることができるのは新潟のほんの一部。新潟のいいところ、新潟にしかないもの、新潟が他に勝っていることを知らなくて、新潟には魅力がないと思っているのだとしたら、それはもったいないですよね。
新潟には、人気のアウトドアブランドや世界レベルのメーカー、100年続く優良企業がいくつもあること。海外にも名を知られたイベントや祭り、伝統の技があること。そして、人口が集中し物価や地価の高い都心に比べ、新潟ではゆったりと等身大の暮らしができること――そういう新潟のたくさんの魅力に気づいてもらいたいと、県内の企業や学校、自治体など新潟の大人が立ち上がったわけです。広く情報に携わる地元新聞社として貢献できることはないかと考え、当社が旗振り役を務めることにしました。
学生へのメッセージをお願いします。
家を離れ知らない土地で暮らすことになったとき、新しい環境に飛び込んだときの心細さを解消できるような企画をこれからもどんどん発信していきたいと思います。同時に、いつか就職や転職、また結婚や子どもの誕生というライフステージの変化など、どこかのタイミングで「新潟へ帰ろうかな」とみなさんに思ってもらえるように、戻りやすい環境を整え、挑戦しやすい風土を育てて待っています。鮭プロでにいがたとつながってください!
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