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Uターンは「研究を活かす×暮らしを楽しむ」の最適解

-子どもにも新潟の暮らしを好きになってほしい- ナミックス株式会社
茂野 裕斗
2023年8月取材

今回は大学院で学んだ化学の知識を活かし、半導体周辺材料の開発を手掛ける茂野裕斗さんにお話をお伺いしてきました!


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とっぴー

化学を研究しようと思ったのはなぜですか?

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茂野さん

中学の頃から特に化学が好きになりました。化学はあらゆるものを作り出すことができるので、身近で役に立つ分野だと知ったからです。大学と院を通して無機材料※を研究しました。無機材料には金属とセラミックスが含まれ、多岐にわたって活用されている材料です。

※炭素を含まない材料の総称で金属やセラミックス(代表的な材料として陶器、セメント)が含まれる。
一方で、有機材料は主に、炭素、水素、酸素などから構成されており、代表的な材料としてはプラスチック、ゴム。

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とっぴー

その専門性は現在の仕事に活かされていますか?

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茂野さん

当社は電子部品や半導体のエレクトロケミカル材料の開発・製造を行っていますが、これらはいわば無機と有機のハイブリット。無機について研究したことは活かせましたが、お客様からのオーダーはとても専門的なことで、年々技術的なハードルも上がるので、持っている知識だけでは歯が立ちません。だから、有機材料はもちろん、無機材料についても知識を更新していく努力は必要です。


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とっぴー

就活はどのように進めましたか?

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茂野さん

就活で重視したのは、「どういう会社で働くか」より、「どんなふうに人生を過ごすか」でした。どこで誰と過ごしたいかを考えて、生まれ育った新潟で、家族や友人と関わりながら暮らそうと決めました。私の実家は大家族なんですが、東京に進学したとき「年に2回帰省するとして、この先、家族に何回会えるのだろう」とはっとして、Uターンの気持ちが固まりました。就活サイトで県内企業に絞って検索し、UIターン向けのイベントに参加したりして、学んできた化学はもちろん、得意な英語も活かせる仕事を探しました。


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とっぴー

化学と英語、両方も活かせる仕事を探したのですね。

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茂野さん

はい、ただそこだけに絞ったわけではありません。新潟県で働けることを条件に、インフラ系や食品のメーカーなどを幅広く調べました。その中で、海外のメーカーに向けてエレクトロケミカル材料を開発している当社を知り、化学と英語の両方を活かせると思い、志望を決めました。このときまで新潟にこういう企業があることを知らなかったので、ちょっとした発見でした。



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とっぴー

現在の仕事について教えてください。

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茂野さん

現在は、半導体をくっつけたり、保護したりする役割を持つ、いわば接着剤の開発をしています。目指す役割は多岐にわたり、材質や大きさも異なり、なおかつ熱で固まるのか光で固まるのかなど性質もそれぞれで、二つとして同じ開発品はないといってもいいでしょう。お客様ごとにオーダーメイドで開発するため、技術的な難易度が高い仕事です。


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とっぴー

その接着剤はどのような製品に使われていますか?

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茂野さん

半導体の機能は電流を制御することなので、パソコンやゲーム機、スマホ、など電流を使うものすべてに使われています。暮らしも産業も半導体が支えていると言ってもいいかもしれません。必要とされる分野は今後、ますます広がっていくと思います。


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とっぴー

どういうときにやりがいを感じますか?

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茂野さん

開発は今までになかった新しいものを作る仕事なので、日々の仕事の中でやりがいを感じることは多いですよ。既存の製品をより良くするための開発が多いので、今後、まったく新しいものをつくる開発に関われたら嬉しいです。
SDGsへの取り組みが進む中で、自然由来のものを材料に使ってほしいと言われることが増えているので、当社でも実用化に向けて動いています。これが形になったら、大きな手応えを感じられるでしょう。楽しみです。


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とっぴー

新潟での暮らしはいかがですか?

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茂野さん

新潟は海や山など自然が豊かなのに、都会でもあって、そのバランスがいいんですよ。買い物や外食に行ける場所が多く、便利で楽しみもいっぱいあります。実は、研究所や工場がこんなに都会にあるのは珍しく、大学時代の友人からうらやましいと言われることが少なくありません。
当社はチームで業務にあたっていること、スケジュールのマネジメントが効率化されていることもあり、残業は少ないですし、有給取得も容易です。また男性の育休取得は昨年度実績で47.6%で、私も子どもが生まれたとき2週間の休暇を取りました。子どもは今、4歳になりましたが、週末には海や公園に出掛け、家族での時間を満喫しています。こうした暮らしを楽しんでいく中で、子どもにも新潟の暮らしを好きになってほしいなと思います。

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とっぴー

Uターン就活を考えている人へのメッセージをお願いします。

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茂野さん

就活のときは会社のことばかり考えがちですが、今後の暮らしを決めるという意識を持って仕事について考えてみてはどうでしょう。暮らしと仕事は同じ線上にあるものです。そう考えると、Uターンの魅力に気付けるのではないでしょうか。