今回は、県外の大学からUターンし地元長岡で看護師として働く小黒大暉さんにお話をお伺いしてきました!
看護師を目指したのはなぜですか?
幼い頃に指定難病を患って、検査や手術のために何度か入院したことがあったんです。その時に優しく、ポジティブに接してくださった先生や看護師さんのおかげで、幼いながら治療に前向きになって、乗り越えることができたので、自然と医療の道を歩もうと思うようになりました。あと、母が看護師だったのも大きかったですね。
県外の大学に進んだ理由は?
働くのは長岡と決めていたので、大学の4年間は県外で一人暮らしできるチャンスだ!と思って、関東圏の大学を目指しました。看護師になるための進学だから、何よりも国家資格取得対策が充実していることを重視。その上で、理工系の学部があるから介助の負担を減らすボディメカニクス(人間の体を力学的な視点でとらえて、ものや人をスムーズに動かすことや、支えること)について学べるのもいいなと思って大学を選びました。
就活はどのように進めましたか?
Uターン前提で、長岡市の総合病院に絞って考えました。就活時はコロナ禍だったため、看護学生対象の新潟県内の病院が参加するフェアにはZOOMでの参加でした。その後の面接もZOOMでしたが、県外に進学していた私としては移動がなくてよかったという一面も。ただ、大学の病棟実習では、一部できなかった領域もあり、その点では残念でした。
志望病院を決めた理由は何でしたか?
大学で学んだとはいえ、医療の現場ですぐに動けるとは思っていなかったので、研修が手厚いこと、幅広い経験が積めることを重視しました。長岡中央綜合病院は、年間を通して研修プログラムが組まれていること、長岡エリアの中核病院で34の診療科を持つ規模の大きさも魅力的でした。また、「地域の皆様とともにある」「すべての人に心温まる医療を提供する」という理念にも共感し、自分も地域にとってそういう存在になりたいと思って、ここに決めました。
研修とは具体的にはどのような?
入職後は社会人としてのマナーなどの基礎研修や、カルテの記載、輸血・採血などの手技などの研修、さらに、病棟、手術室、HCU(高度治療室)、透析でのローテーション研修もあるので、1年目から幅広い経験が積めます。手術室、HCU、透析の研修はこれからなので、楽しみでもあり、緊張もしています。
現在の仕事について教えてください。
現在は血液内科病棟を担当しています。勤務はチーム制で、日勤では一人で4人の患者さんを担当します。朝の申し送りでしっかり情報を聞き、病棟を回りながら、体温や血圧などの数値だけでなく、また言葉だけでもなく、患者さんの顔を見て表情を読み取り、家族の声も聞きながら、全体を把握するように努めています。
今はまだやるべきことの10%くらいしかできていないと自分では思っています。専門用語や薬剤の種類など知らないことも多く、まず名前はその場で覚える、勤務時間後に必ず調べるということを心掛けて、自分のものにしていこうと努めています。命にかかわる仕事をしているのだという責任をしっかり持って、ひとつひとつ丁寧に対応しています。
Uターンして気づいたことはありますか?
地元にいるときは特に意識していなかったのですが、大学のある神奈川県では歩いていて行き会う人にあいさつしたりしないし、気軽に声を掛けたりもしない。人と人の距離が近い環境で育ったんだなと、進学してから気が付きました。
大学の病棟研修では、患者さんにどう話しかけていいか、何を話題にしたらいいかが難しかったのですが、長岡に帰ってくると、「長岡花火見た?」や「今年の雪はすごいね」など地元の話をきっかけにできるので、コミュニケーションを取るのが楽ちんです。Uターンあるあるですね。
今後の目標を教えてください。
入院された患者さんが、安心されたのか涙を浮かべながら私に「ありがとう」と言ってくれたときは、うれしかったですし、仕事のやりがいを感じました。もっともっと頑張ろうと思いました。まずは一人で自信を持って動けるように、知識も経験も積んでいきたいです。将来的には、私が子どもの頃にお世話になった循環器内科の病棟勤務も経験したいです。新潟の医療のおかげで健康になり、成長できたので、恩返しをしたいと思っています。
プライベートでは、病院勤務は3交替で、土日が休みというわけにはいきません。しかし、あらかじめ勤務スケジュールは決まっているので、仕事がもう少し落ち着いてきたら、うまく調整して友人たちに会いたいです。
Uターン就活を考えている人へのメッセージをお願いします。
もちろん仕事も大切ですが、暮らしていく環境も大切です。自然が好き、人とのつながりを感じたいという人はUターンを考えてはどうでしょう。社会人になってからの人生は長いので、自分が好きな環境で暮らしていくのがいいと思います。