今回は、建設業界で活躍する加賀田組の女性社員、高地咲さんにお話をお伺いしてきました!
大学で土木を専攻したのはなぜですか?
高校時代に、地学の先生から環境面に配慮して空港を設計した経験談を伺い、土木っておもしろいと思ったのがきっかけです。もともとダムを見るのが好きなので、私としては自然な流れでしたが、入学したら、土木学科200人中女子は6人。少数派なんだなと思いました。
何を専攻しましたか?
河川・水門を研究するゼミで、水害のシミュレーションやハザードマップの作成、ダム内の堆積土砂調査などについて学びました。また、ドローンで測量を行う空間情報学も選択したのですが、これは現在の仕事につながっています。
就活で重視したのはどういうことでしたか?
一番は、大学で学んだことや専門知識を活かすことでした。業種では、建設だけでなく、鉄道敷設や地域開発を行う企業も検討しました。また、最初からUターンを目指したわけではなく、東海地域の企業も候補の1つとして考えましたが、インターンシップや説明会を経て、新潟県の加賀田組を志望しようと決めました。
志望を決めた理由は何でしたか?
地元で働ける安心感に加え、説明会で出会った社員の方々の温かさが決め手になりました。学生の突拍子もない質問にもしっかりと向き合ってくれ、具体的な仕事内容を若手社員が学生目線でわかりやすく話してくれました。長く仕事を続けていくには会社の雰囲気が大切ですから、社員の方々の明るさがいいなと思いました。
また、女性社員と直接話せたのも大きかったです。大学でも就活でも土木分野では女子が少なかったので、実際に女性社員が活躍していることがわかって、うれしかったです。
入社後はどのような仕事をしていたのか教えてください。
入社後は2週間の全体研修、1対1で教育指導員が付く現場での指導期間で、基本的な仕事の進め方を身に付けました。担当するのは施工管理です。新潟市近郊の地盤改良や河川工事の現場を経験しました。
実は、入社するまで施工管理は現場に出る仕事だと思っていたのですが、実際はデスクワークが多く意外でした。時間を効率的に使えるように心がけて仕事をしています。
現在の仕事について教えてください。
現在は2022年夏の大雨による出水で被害を受けた阿賀野川右岸の護岸復旧工事を担当しています。損傷した基礎部分を修復するため、一時的に石張りを撤去し、修復後に撤去した石張りと阿賀野川流域の自然石を使って石張りを行い、新しく鋼矢板の圧入などを行うことで、護岸をより強化させ、安全面と景観面を両立させた護岸を造るという内容です。
工事内容自体は珍しいものではありませんが、405mと施工区域が長いことと住宅地に近接していることで安全管理の重要度が高い案件です。近隣の方々が散歩やランニングで工事エリアに接近しないように周知することに加え、工事資材を搬出入するトラックの経路、工事の振動や騒音への配慮なども気が抜けません。
Uターンしてよかったと思うのはどんなときですか?
地元で工事をするので、現場はなじみのある場所ばかり。出身校の近くで工事をしていると、友人たちの顔が浮かんできて、知っている人やお世話になった人の役に立てる仕事をしているのだとつくづく思いました。Uターンしてよかったです。身近な人のために働くのはうれしいですし、やりがいも大きくなります。
今後の目標を教えてください。
一級土木施工管理技士資格を取得して、自信をもって一人で現場のすべてを管理することが目標です。社内の月1回の勉強会と上司のレクチャーに支えられ、一歩一歩目標に近づいているところです。
また、今の現場では、新卒の女性技術者の教育指導員として人材育成に関わっていますが、後輩たちに頼られる存在になることも目標です。
建設業界では、ドローンを用いたUAV(無人航空機)測量や3次元モデル等を活用して関係者間で情報共有し、業務効率を図る取組などICT化が加速しています。建設業界の次の段階にはこうした技術や理論がもっと必要になっていくので、その推進に力を発揮したいと思っています。具体的には、3次元測量データの分析を現場内で完結できるようにして、工事品質を向上させていきたいと思います。
Uターン就活を考えている人へのメッセージをお願いします。
まず県内外問わず、インターンシップや説明会に参加して、いろいろな地域や企業を体験するのがいいと思います。その中で違いを見て決めていくと後悔もブレもなくなるはずです。また、他と比べると、地元の魅力や地元で果たしたいことが明確になるでしょう。ぜひ行動を!